概要

骨折・脱臼・捻挫・打撲・切り傷などのいわゆるケガや、肩こり、神経痛、関節痛、首・背中・腰の痛み、ヘルニア、リウマチ、変形性膝関節症、骨粗鬆症に対する診断・治療を行っています。順天堂大学の関連病院として、様々な症例・手術への対応が可能です。薬物療法、リハビリテーション療法、手術療法など患者さんにあった治療法をご提案します。手術後は、理学療法士によるリハビリテーションを早期に開始し、ご自宅に戻れるようサポートいたします。

特徴・特色

整形外科は骨折などの外傷や加齢等による変性疾患にも対応しています。高齢化社会に伴い変性疾患は増加しておりますので、高齢者でも身体的負担の少ない手術をご案内し、積極的な治療を行っています。老化により骨がもろくなる骨粗鬆症は骨折の原因ともなりますが、当院では横になって全身を検査できる骨密度検査機器を導入しておりますので、骨折の予防のためにも、骨粗鬆症の検査をおすすめいたします。
骨折の観血的手術や人工関節手術など、年間約430件の手術を行っています。内視鏡(関節鏡)を使った傷口の小さい手術や、手術前に血を貯める準備が必要ない手術など、最新技術を導入し、患者さんの負担が少なく術後の経過が早い治療法をご提案いたします。

当科は日本整形外科学会臨床研修施設であり、順天堂大学整形外科教室の関連病院として順天堂大学の医師による専門的診療が可能です。骨軟部腫瘍を専門とする髙木医師は、骨軟部悪性腫瘍を扱える国内でも数少ない医師です。バスケットボールのナショナルチームドクターである金医師においては、スポーツ外傷に対するマネージメントを行っています。専門治療が必要な場合は、順天堂大学やその関連病院、提携病院へご紹介いたします。

診療実績等

診療実績等

骨の疾患

骨粗鬆症

病態と症状

骨の量が減って骨がもろく弱くなり、骨折しやすくなる病気です。骨は、古くなった骨を溶かす細胞と、新しい骨を作る細胞がバランスよく働き保たれていますが、加齢や閉経によってこのバランスが崩れると、骨の量が減ってしまいます。背が縮む、腰が曲がるという症状から、背中や腰の痛みで寝込むことが増えるといった症状が現れます。骨の量や成分、強度を調べる骨密度検査を行うことで診断します。当院ではG E社の骨密度測定装置を導入し、横になって全身を検査することができます。

治療

食事や運動など生活習慣の改善を行います。骨密度が低い場合は内服薬や注射による薬物治療を行います。予防が大切な病気なので、日常生活において骨密度の低下を防ぐことが重要です。ウォーキングやストレッチなど転倒しないための筋力やバランス力を身につけたり、カルシウム・ビタミンD・ビタミンKが豊富な食物を積極的に摂るようにしましょう。

大腿骨近位部骨折

病態と症状

高齢者に特に多い疾患で、加齢による骨粗鬆症で骨がもろくなった状態で、転倒やベッドから転落することで起こります。股関節の周りが痛むため、歩くのが困難となります。多くはレントゲン検査で診断がつきますが、レントゲン検査で骨折がはっきりしない場合は、MRI検査も行います。

治療

手術治療が主流です。術後は早くから歩いてリハビリテーションを行います。

・観血的手術
骨折部を整復した状態で金属を用いて固定します。固定材料には様々な種類があり、骨折の形態により選択します。

・人工骨頭置換術
内側骨折で転位(骨折部のずれ)が大きい場合は、骨頭を人工の骨頭に換える手術を行います。

脊椎圧迫骨折

病態と症状

背骨が押しつぶされて変形してしまう骨折です。骨がもろくなる高齢者に多い病気です。転倒や尻もちなど背骨に負荷が加わったときや、重い物を持ったり、せきやくしゃみなどのちょっとしたきっかけでなることもあります。寝返りを打つ時や起き上がった時に背中が痛い、背中が曲がってくるなどの症状がでます。背中だけでなく腰の部分に痛みがでることもあります。

治療

痛みを抑える薬物療法やコルセットで固定して安静にする保存的治療と、手術によって骨折した背骨を治療する手術療法があります。手術は、背中の皮膚から細い針を挿入して骨折部分にセメントを注入する治療(経皮的椎体形成術)から、大きく切開して金具で固定する治療などがあります。

・経皮的椎体形成術(バルーン椎体形成手術)
背中の皮膚から細い針を挿入し、骨折した椎体の中でバルーン(風船)を膨らませて、つぶれた骨の形をできる限り元に戻してから医療用の骨セメントを詰めます。皮膚を大きく切開する手術に比べ、身体への負担が少ないです。手術の翌日から歩けるようになり、骨折による痛みが軽減されます。

腱の疾患

ばね指(弾発指 だんぱつし)

病態と症状

手の使い過ぎが原因で起こる「指の腱鞘炎」です。指が曲がったまま戻らなくなり、強い力で無理に治そうとするとばねのように跳ねて戻ることから「ばね指」と呼ばれています。原因は、手の酷使やホルモンバランスの変化などによります。一般的に高齢の女性に多く発症します。また、パソコンのキーボードやマウスの操作、テニス・ゴルフなど手を使うスポーツ、ピアノなど指を使う楽器の演奏など、指を酷使する人に多い病気です。糖尿病、関節リウマチ、透析など基礎疾患がある方にも発生しやすいといわれています。

<主な症状>
・指が曲がったまま戻らない
・指の曲げ伸ばしが滑らかにいかず、途中で引っかかりを感じる
・朝起きた時、指がこわばって動かしにくい
・曲がった指を戻そうとするとカクンとはねる

治療

まずは、痛み止めの薬やステロイド注射の保存的治療を行います。それでも症状が改善しない場合や、再発を繰り返す場合には手術を行います。手術はわずかな切開で、15分程度で終了するため、日帰りで行うことが可能です

・腱鞘切開術
痛みの元となっている腱鞘を切り開くことで、引っかかっていた腱がスムーズに動かせるようになります。当院医師が開発した特殊なメスを用いて、1㎝程の傷で済みます。手には多くの血管や神経が通っていて重要な構造が密集しているため、手の構造と機能を熟知した、手の外科を専門とする医師が対応いたします。

肩腱板損傷(腱板断裂)

病態と症状

肩のインナーマッスルである腱板筋群の筋が切れてしまう状態です。切れる原因は、転倒や打撲などの外傷が半分で、残り半分は原因不明です。40代以上の右肩に発症することが多いです。眠れないほどの痛みや、腕に力が入らない、自力で腕が挙がらない、腕を上げ下げするとゴリゴリこすれるような音がする、といった症状がでます。中高年に発症が多いため、四十肩・五十肩だろうと片づけてしまうことがありますが、四十肩・五十肩は自然に軽快することが多いのに対し、腱板損傷は肩の痛みや力が入りにくい状態が続きます。

治療

まずは保存治療として、鎮痛剤・ステロイド注射・ヒアルロン酸注射などによる薬物療法や、周辺の筋肉を鍛えたり、肩の動きを改善させるリハビリテーションを行います。状態が改善しない場合は手術を行います。当院では内視鏡(関節鏡)を用いた腱板修復術を行っています。45ヶ所ほどの小さな穴を空け、内視鏡や手術器具を挿入して、断裂した腱をつなげます。痛みが少なく手術後の傷も小さく目立ちにくいです。

関節の疾患

関節リウマチ

病態と症状
手足の関節の痛み、腫れの症状から始まり、進行すると関節が動かなくなったり、変形することもあります。原因は解明されておらず、体の免疫異常によって起こります。主に手足の関節に症状がでますが内臓に現れることもあります。初期症状は、体が重い、微熱、食欲不振、貧血などです。次第に関節の腫れ、痛み、水が溜まる、といった症状が現れ、特に起床後にこわばるようになります。左右対称に症状がでることが特徴です。症状が進むと、関節が変形したり、骨と骨がくっついて動かなくなることもあります。血液検査などを行った上で、総合的に判断して診断します。
治療
薬物療法が基本となります。薬によって炎症を抑え、関節の変形・破壊を予防します。関節の変形が進行した場合には、手術を行ったり、リハビリテーションによる治療も行います。近年、関節リウマチの薬物治療は進歩しており、当院では、リウマチ専門医の道野医師により、「生物学的製剤(レミケード、アクテムラ、シンポニーなど)」を使った治療も可能です。症状を悪化させないために、食生活や適度な運動、十分な療養など生活習慣の改善も大切です。

変形性股関節症

病態と症状

なんらかの原因で股関節(こかんせつ)の軟骨がすり減っていく病気です。軟骨のすり減りが進むと骨が変形していきます。日本人は、生まれつき股関節の骨の形に異常があって発症するケースが多いですが、体重の増加や、股関節に負担のかかるスポーツ、けがの後遺症などが原因となることもあります。立ち上がる時や歩き始める時に脚の付け根が痛い、靴下が履きにくい、正座が困難になる、長時間立っていることや歩くことがつらくなる、といった症状がでます。進行すると、痛みが強くなり、安静にしているときや寝ていても痛みが続いたり、関節がボキボキと音を出したりします。一度発症すると、静かに進行していく病気なので、歩きにくいと感じたり、股関節に痛みを感じるようになった時は、なるべく早く受診することをお勧めいたします。

治療

すり減った軟骨や変形した骨を元に戻す方法は、現時点ではありません。そのため、治療は痛みを抑えることと、これ以上変形が進まないように進行を遅らせることが目標となります。まずは、体重を減らす、重いものを持たない、歩く際に杖を使うなど、日常生活において股関節への負担を減らす生活指導をします。股関節周りの筋肉を鍛えると関節が安定するので運動療法も有効ですが、なるべく荷重がかからない水泳などが適しています。痛みを抑えるために鎮痛剤や湿布など薬物療法も行います。これらの保存治療によっても症状が改善されない場合は、手術治療を検討します。初期の症状であれば自分の骨を生かす骨切術を行います。変形が進んでいる場合は人工股関節置換術を行います。どの治療を行うかは患者さんの状態によって様々ですので、担当医と相談していきましょう。

・人工関節置換術
変形した関節を人工の関節に交換する手術です。術後の痛みが大幅に改善され、骨切術に比べて入院期間が短いのが特徴です。人工股関節置換術の合併症のひとつとして脱臼があげられますが、当院では脱臼のリスクを抑えるために、前方または前外側侵入法という手術方法に対応しています。また、変形の程度が低い場合には、皮膚切開が従来の半分以下で済む小皮切にも対応しており、手術による身体へのダメージを小さくすることで早期の退院・社会復帰が可能となります。

変形性膝関節症

病態と症状

膝の関節軟骨が、すり減って変形する病気です。原因は加齢や肥満、ケガなどによります。軟骨が減ることで骨同士がぶつかったり、骨にトゲが出てくることで痛みを生じます。日本人はO脚が多いので、内側の軟骨が擦り減って内側が痛むことが多いです。はじめのうちは、立ち上がったり歩き始めるときに痛みを生じますが、休めば解消されます。さらに、正座や階段の上り下りがつらい、関節に水が溜まる、膝が腫れるといった症状がでて、進行すると安静時にも痛みが続き、軟骨が変形して膝が伸ばせなくなり、歩くことが困難になります。

治療

まずは保存的治療を行います
・減量などの生活指導
・痛みを抑える薬や湿布、関節注射などの薬物療法
・底板やサポーターなどの装具をつけることで体重のバランスをとり痛みを軽減させる方法
・膝を温める温熱療法や電気療法などの物理療法、筋力をつけるためのリハビリテーション
保存的治療を行っても症状が改善しない場合には、手術を検討します。内視鏡(関節鏡)を使った関節鏡下手術、人工関節置換術など、患者さんの状態によって最善の治療方法をご提案します。

・関節鏡下手術
内視鏡(関節鏡)を使って関節内を掃除する方法です。関節内ですり切れた半月板や、軟骨のささくれなどを除去します。傷が小さいので身体への負担が少ないです。初期には効果の高い手術ですが、軟骨が再生するわけではなく、進行を遅らせる目的で行われます。

・人工関節置換術
変形した関節を、人工の関節に交換する手術です。手術治療の中では最も痛みをとる効果が高く、大きく変形している関節の矯正も可能です。術後の回復も早いことが特徴です。

その他

骨軟部腫瘍

病態と症状

四肢や体幹の主に骨、軟骨、関節、筋肉、脂肪、神経に発生する腫瘍です。がんは内臓だけでなく骨や筋肉にも発生することがあります。胃がんや大腸がんなど内臓にできたがんが骨に転移する場合と骨や筋肉から直接発生するがん(肉腫)があります。

治療

薬物療法、化学療法、手術など患者さんの状態にあった治療法をご提案します。当院では、骨軟部腫瘍を専門とする順天堂大学の髙木医師による治療を行っています。骨軟部悪性腫瘍を扱える国内でも数少ない医師であり、大学での豊富な経験をいかして診療いたします。

診療実績等

手術件数

(2023年1月~2023年12月 370件)

(骨折)

骨折観血的手術【鎖骨】 6
骨折観血的手術【上腕】 25
骨折観血的手術【前腕】 44
骨折観血的手術【手】 9
骨折観血的手術【大腿】 53
骨折観血的手術【膝蓋骨】 1
骨折観血的手術【下腿】 22
骨折観血的手術【足】 5
骨折経皮的鋼線刺入固定術 9
骨部分切除 1
骨内異物除去術 40

(関節)
関節内骨折観血的手術(肘) 4
関節内骨折観血的手術(膝) 1
関節鏡下腱板断裂手術 8
関節鏡下肩関節唇形成術 5
靭帯断裂形成手術 1
観血的関節受動術(肘) 1
観血的関節受動術(指) 1
観血的関節制動術(膝) 2
観血的関節制動術(手・足) 1
偽関節手術 2
関節鏡下半月板縫合術 3

(腱・筋・神経)
腱鞘切開術 15
手根管開放術 5
神経剥離術 2
神経縫合術 3
腱移行術 2
腱縫合術 2
腱剥離術 1
アキレス腱断裂手術 5
腱移植術(人工腱形成術含む) 1

(腫瘍)
四肢・躯幹軟部腫瘍手術 8
四肢・躯幹軟部悪性腫瘍手術 3
皮膚・皮下腫瘍摘出術 4
骨腫瘍切除術(上肢) 4
四肢切断術 3

(人工関節)
人工関節置換術(膝) 22
人工骨頭挿入術(股) 27
人工関節置換術(股) 14
人工関節置換術(肩) 1
人工関節抜去術 1

(その他)
創傷処理 1
皮膚切開術 1
筋肉内異物摘出術 1

医師スタッフ紹介

院長代理

道野 邦男
みちの くにお

専門分野
順天堂大学卒
日本整形外科学会認定整形外科専門医
日本整形外科学会認定 認定リウマチ医
身体障害者福祉法指定医(江戸川区、台東区)

整形外科全般、股関節、膝関節外科、関節リウマチ、腰痛、スポーツ障害・外傷
整形外科部長

小川 晴規
おがわ せいき

専門分野
順天堂大学卒
日本整形外科学会認定整形外科専門医

整形外科全般、股関節、膝関節外科、人工関節、骨折全般

高橋 健剛
たかはし けんご

専門分野
順天堂大学卒
整形外科全般
非常勤

梶原 一
かじはら はじめ

専門分野
順天堂大学卒
日本整形外科学会認定整形外科専門医

整形外科全般、脊椎外科、電気生理学的研究、臨床
非常勤

丸山 祐一郎
まるやま ゆういちろう

専門分野
順天堂大学卒
日本整形外科学会認定整形外科専門医

整形外科全般、膝関節外科
非常勤

髙木 辰哉
たかぎ たつや

専門分野
順天堂大学卒
日本整形外科学会認定整形外科専門医

骨軟部腫瘍、癌の骨転移
非常勤

金 勝乾
きむ すんごん

専門分野
ソウル大学卒
日本整形外科学会認定整形外科専門医

膝関節外科
韓国語での対応が可能です。
非常勤

鎌田 孝一
かまた こういち

専門分野
東海大学卒
日本整形外科学会認定整形外科専門医

肩関節外科
非常勤

小林 英生
こばやし ひでお

専門分野
順天堂大学卒
日本整形外科学会認定整形外科専門医

股関節、肩関節外科
非常勤

林 健太郎
はやし けんたろう

専門分野
順天堂大学卒
日本整形外科学会認定整形外科専門医

脊椎外科、外傷
非常勤

若菜 傑
わかな すぐる

非常勤

鍋田 一樹
なべた かずき

非常勤

待山 祐一郎
まちやま ゆういちろう

非常勤

田代 憲
たしろ けん

交通案内

住所

〒132-0031 東京都江戸川区松島1-42-21


バスでお越しの方

◆JR新小岩駅よりバス約8分
◆都営新宿線船堀駅よりバス約15分
◆東西線葛西駅よりバス約35分
◆東西線西葛西駅よりバス約30分
※バス停『江戸川区役所前』下車


お車でお越しの方

立体駐車場をご利用ください
詳しくは交通案内の詳細をご覧ください


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